日経新聞3月12日の教育欄記事によると、都立高校全日制の受験手続き者数が
募集人数を500人近く下回る前代未聞の結果になったそうだ。
昨年より3000人近く減ったそうだ。
都立高校の偏差値50以下の高校での減少が顕著だそうだ。

この原因は、私立高校無償化により学力が低い層が私立高校推薦に
流れたのではないかと分析している。
私立高校としては、少子化で生き残るために、推薦枠基準を緩和してでも
生徒を確保したいということだろう。
そして私立高校無償化で、囲い込みが進んだということらしい。

元受験生の母親から聞いた話だが、都立高校の第一志望校を下げられたら
やはりそれなりの私立に入れようとなるので大変だと言っていた。

私立高校無償化はそれにも拍車をかけることになったのだと思う。

この記事の最後に、
『無償化は生徒確保に懸命な私立校のモラルハザードを招く。そんな議論を思い出した。』
とあった。

正しくモラルハザードは進むことだろう。

タダこそ怖いものは無い、と昔から言う。
モラルハザードは本来無償化は必要ない一般階層まで巻き込んで社会の腐敗を招く。
結果としてその代償は高くなってしまうのだ。

追加更新
その後のニュースでは、都立高校受験3次募集では、定員割れが相次いだそうだ。
学費について言えば、都立も私立も差が無くなったわけだから、こうれか少子化で
もっと高校の淘汰が進むだろう。
都立高校の廃校も当然話題になっていくだろう。
我々の時代には、学費の安い都立高校に入ろうと必死に勉強したものだ。
それが高校無償化によって頑張る必要はなくなるのだからモティベーションは
当然下がっていく。そして偏差値50以下の層はますます学力低下に拍車がかかると予想される。
社会全体としては、ずるずると知的レベルが衰退していくので、問題が深刻化していくだろう。