日経新聞3月29日付けのコラム『大機小機』では、’持続可能性を問う’と題して
企業社会の再構築を呼びかけ、これからの新しい社会創造を望むとしている。
デフレ脱却のための量的・質的金融緩和策が5年経過した今も継続している。
2年の短期戦だと思っていたのに、いまだに物価2%に達しない。
そもそも物価2%目標は正しかったのかという疑問が当初からあった。
コラム筆者は、金融緩和策の負の側面にも目を向ける時だ、としている。
その第一は、企業経営が、ROE向上や株主還元を重視しすぎて、経営の目線が従業員や顧客に向かず、
株価、投資家に集中している。
これが現場軽視になり、モノづくり日本を代表する大企業でのずさんな品質管理が相次いだ。
第二は、経費削減、効率化が下請け企業にしわ寄せが行き、経営マインドを委縮させた。
第三は、財政の持続性への信頼が後退した。
財政健全化やあるべき租税体系構築への熱意が感じられない。日銀もそろそろ欧米の動きに合わせて
出口戦略について語り始めるべきだ。
第4次産業革命が凄まじい威力で押し寄せている。
単純労働はロボットや人工知能に置き換わる時代だ。
これからは、効率化や増産を追求するのではなく、哲学的分析や文化的・知的発信、人間学的分野で
労働の付加価値が求められる時代が来る、と述べている。
まさにその通りだと思う。
ワークライフバランスと言われる柔軟な働き方や、経営はROE至上主義を控え、働き手は
企業経営への参画、協力意識を持つ企業社会へ再構築したいものだとも述べている。
企業経営者や労働組合関係者だけではなく、すべての国民が新しい時代を再構築するという意識を持っていかねばならない。
グローバル化と言う言葉に惑わされて、経営者の高額報酬や社外取締り役制度、第三者経営委員会への依存など、自分たち本来の自浄努力や変革を衰えさせる制度導入は見直すべきだろう。