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高級和紙が原料のコウゾ生産激減で危機に

13日の日経新聞によると、本美濃紙や越前和紙などの日本の高級和紙が
コウゾ生産農家が後継者不足で激減し、供給不足に陥っているそうだ。

需要の6割から7割しか供給出来ていないそうだ。

私も小さい頃から書道に親しんできたので、和紙については少なからず想いがある。
和紙にも色々あり、書の書きやすさにも影響してくる。
墨の乗り具合や滲みなど微妙な感覚が要求される。
和紙と筆と墨が一体となって出来上がるのが《書》である。
筆をとる機会が減っているが、また落ち着いたらゆっくり書に親しみたいと思っている。

高級和紙はそのほかにも日本の伝統文化に大きく貢献しているはずだ。

その代表である本美濃紙は、2014年にユネスコの無形文化遺産に登録された。

高級和紙の原料であるコウゾを生産しているのは、茨城県の大子町だ。
本美濃紙は、大子町のコウゾを100%使用するという内規があるそうだ。

遺産登録後に、見学者が増えて原料についての質問が多くあり、本美濃紙保存会の鈴木豊美副会長が大子町を訪れて、生産者が減っている現状を認識したそうだ。

生産農家は80歳を超えた零細農家ばかりだそうで、後継者がいない現状がわかったそうだ。

今まで高級和紙についてはそれを守っていくということは世の中にも理解されていたと思うが、肝心の原料を供給する生産農家については、誰も関心を持っていなかったという恐ろしいことが起きていたのだ。

80歳というのは本当に危機だと思うが、これは日本全体の農業にも言えることだろう。
零細農家ばかりだから、こういう危機的状況でも声を上げることが出来ずに、仕方のないことだと放置されていたのだ。

6年前の東日本大震災でも、半導体生産工場が被害を受けて生産がストップし、トヨタなどの自動車メーカーが
冷や汗をかいたという事例があった。
その他の製品でも工場の事故や、被害で生産が滞り、最終製品へ影響が出る事例が相次いだ。

日本は全産業のベースになる原材料を生産している領域が幅広い。
しかし、そこで働く人たちは、それに見合う待遇を受けているだろうか?
若者に見放される境遇になっているのではないだろうか?

世界的にみると、企業のM&Aが頻繁に行われている。
日本でも海外メーカーを買収するケースが多くなったが、果たして産業基盤を強くすることに繋がっているのだろうか?

産業の屋台骨を支える重要な仕事は何なのかを、もう一度見つめなおしていくことが必要だと思う。

経営者はシャープや東芝が何故危機に陥ったかを考え、反面教師にして正道を歩んでほしい。
足腰が弱ってしまってからでは何もできない。

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