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大学卒の就職率98%をどのように考えるべきか [政治経済]

5月18日の日経新聞夕刊1面に、今春卒業した大学生の就職率が載っていた。

文部科学省と厚生労働省の調査で、就職希望者のうち就職できた人の割合が98%だったそうだ。
これは、前年より0.4%上回って過去最高を更新ということだそうだ。

これだけで見ると人手不足イコール景気が良いと考えられそうだが、世の中はバブルの時のようなイメージはしない。

この記事を最後まで読んでみると、この就職率というのは、学部を卒業した人を対象としているのがわかった。

就職希望者の割合がどのくらいかというと、私立大学で86.1%、国立大学では53.7%となっている。
特に国立大学では、就職希望者が1.6%減ったそうだ。
つまり国立大学卒の半分近くは、就職を希望しなかったということになる。
これは大学院へ進学する人が多いからということになっている。

これを考えると、今までの学卒就職率というのは、全体を表していないことになる。

大学院修士課程修了者のデータも知りたいものだ。
たぶん理工系の就職率は高いだろうが、文科系大学院の人の就職率はどうなのだろうか。
また、就職を希望せずに博士課程へ進学する人の比率も知りたいものだ。

40年以上前から博士課程修了者の就職が問題になっていたが、今もあまり変わっていないのではないだろうか。
所謂ポスドク問題として、高学歴の人達が社会に受け入れられやすい環境になっているのだろうか。

以前、弁護士を増やそうと言うことで、法科大学院が多数設立されたが、最近では敬遠されている。
同じように理工系は修士課程に進学するのが当たり前の雰囲気になっているが、これも
大学院への進学を推奨する状況もあったのではないだろうか?
本当の実力を備えた人達が排出されていなければ、そのうち社会から敬遠されるようになるだろう。

就職率を見る時には、大学院修了者はもちろん、高卒や専門学校卒の人達も含めて、総合的に見ていく必要があると思う。


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